御影岩(花崗岩)の組成概要

玄武岩と共に地殻を構成する主要な岩石
化学組成は、けい酸(硅酸)の含有量が6670以上 平均72%前後で、他に石戔、カリ長石、斜長石、雲母、角セン石、輝石などの主成分と、りん灰石、磁鉄鉱などの、副成分からなる最硬度質の岩石である。化学的性質からは、アルカリ花崗岩などと呼ぶものもある。

※けい酸成分=鉄分、マグネシュウム、カルシュウムなどを含んだ成分によって組成される。
       飲料水清浄化などに使用されることがある。

当社で使用している飼槽材料の御影石を、帯広畜産大学理学博士 近堂祐弘氏 に化学分析して戴きました。


中国産カホク花崗岩の化学組成および耐久性

飼槽材料に使用される中国産カホク花崗岩の化学分析結果は、下表に示したとおりである。(単位%)
SiO2(二酸化ケイ素)73.60%
Fe2O3(酸化鉄)2.12%
CaO(酸化カルシュウム)1.15 %
MnO(一酸化マンガン)0.04%
Na2O(酸化ナトリウム)2.43%
トータル99.20%
Al2O3(三酸化アルミニュウム)13.38%
TiO3(三酸化チタン)0.31%
MgO(酸化マグネシュウム)0.42%
K2O(酸化カリウム)5.63%
P2O5(五酸化リン)0.12%
化学分析は、蛍光X線法による。全鉄をFe2O3で示す

 DALYによる花崗岩546点の平均化学組成(SiO2 70.18)と比較するとカホク花崗岩はケイ酸が3.4%高く、石英のような風化されにくい鉱物にとんでいる。一般に、花崗岩は斑れい岩、麻酔岩、玄武岩などに比べ水による溶解がしづらく、風化に対する抵抗性の強いことで知られている。(大工原 1914:GOLDICH、1938)。
 ちなみに、花崗岩を構成する造岩鉱物の中で、風化に際し溶解され易い長石1mm結晶の平均存在期間は、最短でも112年と計算されている(LASAGA、1984)。
 以上のことから、新しい飼槽材料としての中国産カホク花崗岩は、耐久性に秀れ、かつ、衛生的な良質の石材と考えられる。

  平成3年8月10日 認           帯広畜産大学環境土壌学教室    
理学博士